「II-V-I」「2-5-1」のコード進行って、どうやって使えばいいの?
この数字は何を表しているの?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
ジャズピアニスト・作曲家のCharles Cornellが教える「2-5-1って何?どうやって使うの?」をまとめました。
ジャズでよく使われることで有名なこちらの進行ですが、実際に作曲で使う時にはどういったことに気をつければいいのでしょうか?
早速見ていきましょう!
はじめに:メジャーキーの並び方のおさらい

まずは基本をおさえるために、Cメジャーキーのおさらいからいきましょう。
C D E F G A B
これを数字に表すとこうなります。
1 2 3 4 5 6 7
Fメジャーキーの場合は、
F G A Bb C D E
数字にすると、このようになります。
1 2 3 4 5 6 7
数字で覚えよう

数字にすることがなぜ重要かというと、キーと数字は常に連動しているからです。
たとえば「1 2 3」は、Cメジャーキーなら「C D E」、Abメジャーキーなら「Ab Bb C」と、キーに合わせてすぐ音を考えることができます。
コードも数字で覚えるとラク
たとえば「2-5-1」というように、コード進行を数字で覚えておけば、どのキーに対してもこのコード進行がすぐわかるようになります。
たとえば、Cメジャーキーの「2-5-1」は「Dm G C」になりますし、Fメジャーキーの「2-5-1」は「Gm C F」になります。
Cメジャーキーの「2-5-1」の構成音
2 = Dm:D F A
5 = G:G B D
1 = C:C E G
この仕組みさえ覚えれば、どのキーで演奏する時もすぐ対応できます!
このコード進行の特徴
それでは、実際にこのコード進行の音を聞いてみましょう。
なんだか、すごく「終わった!」感じがしませんか?
そう、この「2-5-1」のコード進行の特徴は、「すべてをまとめた」「終わった感」がするところです!
それぞれのコードがうまく繋がり、終わりに向かっていくような響きになるのです。
こちらは、少し音を加えたバージョン。
よりスムーズにコードが進行している感じがします。
少し専門的なお話をすると、このコードには「リーディングトーン(Leading Tone)」を使っています。
その名前の通り、何かの音に向かっていく(Leadしていく)感じがする音を入れているのです。
かんたんバージョンで見てみよう

このコード進行を少しバラして、さらに音を少なくしてみましょう。
まずはルート音。左手で弾いている音です。
D→G→C
このような動きになっています。
次は右手。
最初のコード「Dm」の3rdの音(正確に言うと短3度)である「F」と、7thの音であるCの音を弾きます。
(Dmに7thの音を足したので、ここからはDm7となります)
F C
左手と全部合わせると、こうなります。
D F C
次はGコード。
右手ではこの2つの音を弾きます。
F B
FはGコードの7thの音にあたりますので、ここからは「G」が「G7」となります。
左手は「G」を弾いていますので、全部合わせるとこうなります。
G F B
それでは、先ほどのDm7コード「DFC」からの動きを見てみましょう。
Dm7:D F C
↓
G7:G F B
Dm7の7thの音である「C」が、半音下がって「B」に行っています。
この音の動き、とてもスムーズに聞こえませんか?
このように、半音の動きは音程が動く幅が小さいので、とてもスムーズに聞こえるのです。
これがまさに「リーディングトーン」となります。
コード進行を「解決」しよう!

さて、G7を鳴らしたあとは、なんだか「終わった感」が欲しい感じがします。
&
音楽的に言うと「解決したい」という感じがします。
もっと細かく言うと、1のコード「Cメジャー」に行きたくなります。
しかしここで「解決」する前に、一つ押さえておきたいポイントがあります!
実は今まで動いていなかった「F」の音
ここで、先ほどの「Dm7」から「G7」で弾いていた音をもう一度見てみましょう。
Dm7:D F C
↓
G7:G F B
よく見ると、1個目・3つ目の音は動いていますが、真ん中の「F」の音が動いていません!
コモントーン(Common Tone)とは?

Dm7コードでは、Fの音は「マイナー3rd(短3度)」の音でした。
そしてG7コードでは、Fの音は「フラット7th」という音になります。
それぞれのコードで役割(3rdやフラット7thといった番号)は違えど、どちらのコードでも「F」の音を使っています。
これを、音楽用語では「コモントーン(Common Tone)」と言います。
このコモントーンがあることで、コード進行はよりスムーズに進行しているような感じがするのです。
「解決」するには?

さて、コモントーンについて学んだあとは、いよいよコードを「解決」させましょう。
G7コードのちょっと不安定で緊張感がある感じから一気に「終わった感」を出すには、この場合Cメジャーコードがぴったりです。
G7:G F B
↓
C:C E G
このCメジャーコードは、Cメジャースケールにおいて1stのコード、つまり「ホーム」のコードになります。
この「ホームのコード」を鳴らすと、とても「終わった感」「解決した感」「安心感」があるので、Dm7やG7などの緊張感があるコードの後に来ると、とてもスッキリした感じになります。
そのため、この「2-5-1」というコード進行は、「緊張感から解放感を得るために使えるコード」とも言えるのです。
2-5-1の応用編

ここまでご紹介したのは、非常にスタンダードでシンプルな構成のコードでした。
ここからは、このコード進行の応用編をご紹介していきます。
転調する前に「5」を使おう
この「5が持つ緊張感」は、実は転調する時にも使えます。
使い方は簡単で、転調する前に5のコードを使えばOK。
5のコードが持つ緊張感や不安定感が、逆に「次はどこに行ってもいい!」という役割も果たしてくれるのです。
5の前に2を入れれば、さらにスムーズにつながります。
CメジャーキーからAbメジャーキーに移る時、Cメジャーキーの1であるCメジャーコードからAbメジャーコードの1であるAbメジャーコードに移ると、ちょっと変な感じがします。
しかしCメジャーキーであるGメジャーコードからAbメジャーコードに行けば、よりスムーズに転調することができます。
微妙な例
1:Cメジャーコード(Cメジャーキー)
↓転調
1:Abメジャーコード(Abメジャーコード)
スムーズな例
5:G7コードCメジャーキー)
↓転調
1:Abメジャーコード(Abメジャーコード)
さらにスムーズなコード進行の例
スムーズな例
2:Dm7コード(Cメジャーキー)
↓
5:G7コード(Cメジャーキー)
↓転調
1:Abメジャーコード(Abメジャーコード)
2-5-1は音楽をまとめる「ツール」
今回ご紹介した通り、2-5-1のコード進行は「音楽をまとめる」のにとても使えるツールです。
転調にも使えるテクニックですので、ぜひお試しください!
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