
今回は、冬らしい曲を作る方法をまとめました。
クリスマスソングの作曲や、冬の寒さを表現したいときに使えるコツを7つご紹介します。
ポップスだけでなく、ゲーム音楽や映画音楽にも使えますので、ぜひ参考にしてください。
冬曲・ウィンターソングを作る方法1.キラキラ系のサウンド
1つ目のコツは「キラキラ系のサウンドを取り入れること」です。
高音域がキラキラしたサウンドは、雪の結晶の輝きやイルミネーションの光、冬らしいロマンチックな雰囲気を彷彿とさせます。
金属系の楽器を取り入れると、より冬らしさを演出できます。
キラキラ系楽器の例
- スレイベルやハンドベルなどのベル系楽器
- ウィンドチャイム
- グロッケン
- チェレスタ
- トライアングル
- オーケストラチャイム(チューブラーベル)
例えばクリスマスソングではスレイベル(Sleigh Bells)が必ずと言っていいほど使われており、これをシャンシャンと鳴らしているだけで冬らしい雰囲気になります。
※ちなみに「Sleigh」は「そり」という意味です
また、ハンドベルも冬らしい雰囲気を作るのに効果的です。
ウィンドチャイムは「Aメロに入ったとき」「Bメロに入ったとき」など、セクションが切り替わったタイミングで使われることがあります。
アナ雪でおなじみの「Let It Go」ではイントロでウィンドチャイムが鳴っており、雪山で吹く風のような印象があります。
その他、グロッケン、チェレスタ、オーケストラチャイムなども冬らしいサウンドを作りやすい楽器として有名です。
冬曲・ウィンターソングを作る方法2.アルペジオ
2つ目のコツは「アルペジオを使用すること」です。
単音でパラパラと音が鳴っていると、冬らしい落ち着いた雰囲気を出しやすくなります。
特に上から下に下がっていくアルペジオのパターンがあると、雪が空から降ってくるイメージにつなげやすくなります。
下記の例のように4音でひとまとまりのアルペジオを作る場合は、最初の3音は常に同じで最後の1音だけ変えると、常に同じ位置から雪がしんしんと降っていく雰囲気+感情の微細な変化を表現することができます。
もちろんアルペジオだけで冬らしくなるわけではないのですが、冬らしい楽曲を作る1つの要素として効果的です。
(例えば春に桜が舞い散る様子や、秋の落ち葉をアルペジオで表現することもできます)
冬曲・ウィンターソングを作る方法3.メロウなコードトーン
3つ目のコツは「メロウなコードトーンを使用すること」です。
フワーっとやわらかく広がるPad系のサウンドや、やさしく吹いた管楽器を使ってメロウなコードトーンを作ると、冬らしい落ち着いた雰囲気になります。
高音域や倍音がたくさん含まれているとガチっとした印象になるため、気になる場合はローパスフィルターなどを使用したり、打ち込みの場合はベロシティーを下げるとよいでしょう。
- サイン波のようなやわらかいシンセサイザーサウンド
- 優しく吹いた金管楽器(ブラス)
- 落ち着いたクワイア
- RhodesやWurlitzerなど、やわらかめのエレクトリックピアノ
冬曲・ウィンターソングを作る方法4.エアー感のあるサウンド
4つ目のコツは「エアー感のあるサウンドを使うこと」です。
空気の流れを感じるようなサウンドを使うと、冬の冷たい空気感や吹雪のような印象を作ることができます。
弦の擦れる音がはっきりわかるようなバイオリンソロなども効果的です。
- フルートやパンフルート
- 尺八
- バイオリンソロ
- 神聖な雰囲気のクワイア
日本人はお正月の定番曲「春の海」になじみがあるため、、尺八=冬らしいと感じる人も多いでしょう。
冬曲・ウィンターソングを作る方法5.ソロ楽器+太鼓(雪山風)
5つ目のコツは「ソロ楽器+太鼓系サウンドを使うこと」です。
バイオリンなどでソロを演奏すると、孤独感や寂しさを表現しやすくなります。
そこに伝統音楽で使われるような太鼓系のサウンドを取り入れることで、一人で険しい雪山を登っているような印象になります。
冬曲・ウィンターソングを作る方法6.ぽつぽつとしたリズム
6つ目のコツは「ぽつぽつとしたリズムを使うこと」です。
音数を少なくしたり、ディレイやリバーブなどを使って1つの音が静かに消えていくサウンドを使うと、冬景色の切なさを表現しやすくなります。
実際に降雪地帯では雪で吸音され、雪が積もっていない時よりも周りがシーンと静かになります。
音がない感じや音が消えていく感じを表現するには、このぽつぽつとしたリズムを使うと効果的です。
冬曲・ウィンターソングを作る方法7.シンプルな繰り返しのパターン
7つ目のコツは「シンプルな繰り返しのパターンを使うこと」です。
例えばクリスマスソングやゲーム中の雪山系のステージBGMでは、スレイベルをはじめ、特定の楽器で8分音符をひたすら刻んでいることがよくあります。
音程やリズムにあまり変化がなく、ひたすら特定のパターンを繰り返すと雪がしんしんと降り積もる雰囲気を演出できます。
またピアノの伴奏でシンプルに8分音符を刻むと、冬らしい切なさが出しやすくなります。
冬曲・ウィンターソングを作るのにおすすめの音源
冬曲・ウィンターソングを作るのにおすすめの音源として、以下3つが挙げられます。
おすすめ音源1.Omnisphere 3
Spectrasonics社の「Omnisphere 3」は、ポップスやヒップホップ、ダンスミュージックから映画音楽まで、幅広いジャンルで使える膨大なプリセットが収録されている音源です。
今回ご紹介したやわらかいPad系のサウンドやストリングス・ブラス系のサウンド、ベル系のサウンド、Rhodesなどのエレクトリックピアノのサウンドも収録されていますので、初心者の方にもおすすめです。
おすすめ音源2.ファンタジー系に強い総合音源
弦楽器・金管楽器・木管楽器・打楽器などのオーケストラで使われる音源に加え、民族音楽で使われる打楽器なども収録されている音源は、特に映像音楽で重宝されます。
EastWest社「Hollywood Fantasy」シリーズなど、ファンタジー系に強い総合音源であればこれらのサウンドが使えますので、とてもおすすめです。
「ブラス音源」「木管楽器音源」「ストリングス音源」「コーラス音源」「オーケストラ音源」「パーカッション音源」の個別に分かれている製品と、全部入りのバンドルがあります。
おすすめ音源3.Keyscape
通常のアコースティックピアノや、RhodesやWurlitzerなどやわらかめのエレクトリックピアノを使うなら、Spectrasonics社の「Keyscape」がおすすめです。
最も有名なDTMキーボード音源の1つで、世界中のプロがKeyscapeを愛用しています。
その他、ウィンターソング制作にも使えるおすすめ音源はこちらにまとめています🔻


