今回は、音楽プロデューサーのJohn Summitが解説する「プロのようなテックハウスの作り方」をまとめました。
この記事では、このようなかっこいいテックハウスの作り方を4分で解説します。
ただの打ち込みのやり方ではなく、プロのようなグルーヴを作るためのコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
テックハウスでよく使われる楽器は?
テックハウスでよく使われる楽器は、こちらの7つです。
・キック(バスドラム)
・ベース
・ハイハット
・クラップ
・パーカッション
・シンセサイザー&FX
・ボーカル
それではここからは、それぞれの楽器の具体的な作り方・打ち込み方を解説します。
テックハウスの作り方1.キック(バスドラム)
テックハウスのキックは、909系の太めのサウンドが使われることが多いです。
ここで特にポイントなのが「テールを短くすること」です。
テール(最後に伸びている部分)を短くすることで、ベースのための空白を作ることが大切です。
基本的には4つ打ち(4分音符4つ)で打ち込みます。
テックハウスの作り方2.ベース
テックハウスのベースは、以下6つがポイントになります。
・アタックがはっきりわかるポンポンと跳ねるようなベース
・1~4小節で1フレーズにする
・ピッチベンドを活用する
・ディストーションとコンプレッサーで音を太くする
・キックに対してサイドチェインをかける
・不要な音域を減らす
ベースの音作りのコツ1.ポンポンと跳ねるようなベース
テックハウスのベースは、アタックがはっきりわかるようなサウンドであることが多いです。
今回は、Ableton Liveの付属プラグイン「Operator」を使ってベースを作ります。
まずはSaw(ノコギリ波)の音を用意し、フィルターを使って音がポンポンと跳ねるような音にします。
ベースの音作りのコツ2.1~4小節で1フレーズにする
テックハウスのベースラインは、1~4小節でひとまとまりにすることが多いです。
今回はグリッドを16分音符に設定し、16分音符を生かしたフレーズにしています。
ちなみにハウスミュージックのほとんどはマイナーキーなので、今回の楽曲もEマイナーキーにしています。
(ベースはEとF#を中心としたフレーズ)
ベースの音作りのコツ3.ピッチベンドを活用する
ベースはシンプルに打ち込んでもいいのですが、ときどきピッチベンドを入れるとプロのようなベースラインになります。

ベースの音作りのコツ4.ディストーションとコンプレッサーで音を太くする
より太いベースにするため、ベースに対してディストーションやコンプレッサーを使うのもおすすめです。

今回はAbleton Liveの付属プラグイン「Drum Buss」と「Compressor」を使っています。
ディストーションは20%で少しだけ使います。
コンプレッサーはアタックとリリースをやや速め(11mc・50ms)に設定します。
ベースの音作りのコツ5.キックに対してサイドチェインをかける
ハウスミュージックにおいてとても大切なのが、サイドチェインです。
「キックが鳴っている間はベースの音量を下げる」という設定にすれば、低音楽器同士で音が邪魔し合うことがなくなります。

ベースの音作りのコツ6.不要な音域を減らす
最後に、EQとフィルターを使って不要な音域を削ります。
まずはEQで超低音域と100~200Hz付近のモコモコしやすい音域を減らします。
そして最後に、ハイカットフィルターを使って1kHz以上の高音域をバッサリカットします。
このような処理をすると、最終的にこのような音になります。
このベースにキックを加えると、踊りたくなるようなかっこいいグルーヴになります。
テックハウスの作り方3.ハイハット
テックハウスのハイハットは、さまざまなサンプルを重ねて横に広がるステレオ感を作るのがポイントです。

上記画像のように、最も重要な要素4つ(ボーカル・スネア・ベース・キック)は真ん中に置き、それ以外のパートは横に広げるとバランスが良くなります。
今回のトラックでは、以下6つの音をハイハットとしてレイヤーします。
・左ハイハット
・センターハイハット
・右ハイハット
・ワイドシェイカー(すでに左右に広がったサンプル)
・シンコペーションハイハット(リズムをスイングさせる)
・バリエーションを加えるためのハイハット
すべてのハイハットを同時に聴くと、このようになります。
テックハウスの作り方4.クラップ
テックハウスのクラップは、先ほどのハイハットと同様にレイヤーさせるのがポイントです。
・センタークラップ(メインになるクラップ)
・ワイドクラップ(横に広げる用)
・テクスチャークラップ(アタックの質感を出す用)
クラップは中音域が中心となる楽器のため、ハイハットほど左右に広げる質感は出さないようにしておきます。
(もちろん音楽に絶対的なルールはないので、クラップを横に広げてはいけないということはありません)
テックハウスの作り方5.パーカッション
テックハウスでは、細かいパーカッションの音がよく使われます。
今回は、これまで入れてきたキック・ハイハット・クラップのスキマを埋めるようにして、シンコペーションさせたパーカッションを入れていきます。
テックハウスの作り方6.シンセサイザー&FX
テックハウスでは、より楽しく飽きさせない楽曲にするために、シンセサイザーやFXも取り入れていきます。
今回は、4小節ごとにアップリフター(Up Lifter)、ノイズのヒット音、アシッド系シンセサイザーのサンプルを入れていきます。
そして、ちょっとした背景音(アンビエンス)も入れます。
今回は、レコードを再生したときに流れるような「ジリジリ」「プチッ」としたノイズを使います。
シンセサイザー&FXを加えるときの注意点
FXとして入れる音は何でもOKです。
しかし1つだけ注意していただきたいのが、このようなFXサウンドを入れすぎることです。
あれこれ入れてしまうと、せっかく作ったドラムやベースのグルーヴを台無しにしてしまいます。
テックハウスではグルーヴ重視で、グルーヴを生かすようなFXサンプルを取り入れていくようにしましょう。
テックハウスの作り方7.ボーカル
テックハウスには、コール&レスポンスを取り入れたボーカルがおすすめです。
ここでは、4小節ごとに1フレーズ入れるようにします。
「ドロップに入る直前」など、次のセクションに移る直前に入れると効果的です。
テックハウス完成!
それでは最後に、今回ご紹介したテクニックを使ったトラックをお聴きいただきます。
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