コード進行

【作曲のコツ】コード進行をプロっぽくする方法【LEVEL3】

3 Levels of Chords: How to Triads to Einstein Equations - FL Studio

今回は、音楽プロデューサーのVoriesが教える「コード進行 3つのレベル」をまとめました。

ここではシンプルなコード進行「LEVEL1」から、プロっぽいコード進行「LEVEL3」までを順を追って説明します。

こちらの記事を読むと、ありがちなコード進行を「かっこいいコード進行」にすることができます!

はじめに:今回の解説で使う基本のコード進行

今回は、Fマイナーキーで、こちらのよくあるコードをLEVEL1からLEVEL3まで進化させてみます。

Fm - Db - Ab - Eb

実際のサウンド(0:55~1:08)

3 Levels of Chords: How to Triads to Einstein Equations - FL Studio

ちなみに、Fマイナーキーで使われる音はこちらです。

F G G# A# C C# D#

それではここからは、このベーシックなコード進行をレベルアップさせていきます!

コードの基本をおさらいしよう

LEVEL1のコードを作る前に、まずはコードの基本から始めましょう。

ちょっとつまらないと思うかもしれませんが、とても大事なのでしっかり押さえておきましょう。

コードの基本1.コードは2個以上の音を組み合わせて作られる

コードは、最低2音の音を組み合わせたものです。

今回は、Cを基本として、そこから音を重ねていきます。


画像:動画より x2

Cの半音3つ上のEb、Ebからさらに半音4つ上のGの音を足してみましょう。

C Eb G

このようにすると、Cマイナーコードが出来上がります。

マイナーコードは「3+4」、メジャーコードは「4+3」

ルート音に対して「半音3つ+半音4つ」と重ねると「マイナーコード」、順番を逆にして「半音4つ+半音3つ」と重ねると、メジャーコードになります。


画像:動画より

上記は「CEG」で、Cメジャーコードになります。


画像:動画より

上記は「CEbG」で、Cマイナーコードになります。

コードの構成音はオクターブ上げてみてもOK

コードで使われている音を1オクターブ上げてみるのもOKです。

これは好みによるので「こちらの方がいいサウンドだな」と思ったらやってみましょう。


画像:動画より

上の画像では、Eの音を1オクターブ上げています。

もちろん、逆に音を1オクターブ下げてみるのもアリです!

LEVEL1:ダイアトニックコード

それではここからは、LEVEL1のコード進行を作ってみましょう。

こちらは「ダイアトニックコード」を使う方法です。

STEP1:ベースラインを決める

まずは、ベースラインを決めます。

C - G# - D# - A#

今回は、このようなルート音の流れにしていきます。

2:07~2:11

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STEP2:5thの音を入れる

次は、ルート音に対して5thの音を入れていきます。

つまり、ルート音から半音7つ上の音です。


画像:動画より

実際の音はこうなります。

2:15~2:19

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STEP3:3rdの音を入れる

先ほどの進行に3rdの音を入れて、メジャーコードとマイナーコードにします。

Cマイナーコード:C Eb G
G#メジャーコード:G# C D#
D#メジャーコード:D# G A#
A#メジャーコード:A# D F

このような音になります。

2:34~2:38

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コード進行の基本「ダイアトニックコード」

これらのコードは、いわゆる「ダイアトニックコード」と呼ばれるコードです。

コード進行を作るときに最も使われるコードです。

特にポップスでよく使われますが、上記の例はあまりにもよく使われすぎているので、少し変えてみましょう。

G# - Fm - Cm - A#

STEP4:3rdの音を1オクターブ上げる

次に、コードのうち3rdの音を1オクターブ上げて、音と音の間に「スペース」を空けてみましょう。


画像:動画より

このような響きになります。

3:01~3:09

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STEP5:メロディーを入れる

それでは最後に「参考メロディー」を入れていきます。

メロディーとコードは、お互いになくてはならない「共同体」のような関係です。

ここで入れる「参考メロディー」は、コードがメロディーとどう響き合っていくかを確認するのに重要になります。

3:21~3:29

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もちろん、この段階で歌える方は歌ってみてもOKです。

4:00~4:16

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LEVEL2:コードをレベルアップさせよう

次は、LEVELのコードをレベルアップさせてこのようなコード進行を作ってみます。

G# add9 - Fm7 - Cm7 - A# sus4

「ヤバい、なんか難しい…」と思った方、一つ一つ解説していきますので、ご安心ください。

STEP1:Fmコードをレベルアップさせてみよう

まずはじめに、LEVEL1で作ったコード進行のうち、「Fm」に着目してみましょう。

Fmコードは、このように成り立っています。

F:ルート音
G#:ルート音に対する3rdの音
C:ルート音に対する5thの音

では、このFmコードにスケール上の7thの音を付け足してみたらどうなるでしょうか?

Fマイナースケールにおいて、7thの音は「D#」です。
(今回はFマイナーキーで楽曲を作っているため「スケール上の7thの音」という表現ができますが、単純に「ルート音に対して7thの音」という解釈もできます)

F G G# A# C C# D#

この7thの音を入れると…セブンスコードの完成です!

4:54~4:59

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STEP2:セブンスコードを足してみよう

それでは、同じ要領で「Cm」も「Cm7」に変えてみましょう。

Cに対して7thの音=Bbの音を入れます。

Cm7:C D# G A#

このような響きになります。

5:02~5:09

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セブンスコードを入れたことで、また違った雰囲気が出てきました!

STEP3:サスペンドコードを入れてみよう

次は、最後のコード「A#」に着目してみましょう。

先ほどは「3rdの音がルート音から半音3つ離れていればマイナーコード、半音4つ離れていればメジャーコードになる」というお話をしました。

「C Eb G」ならCマイナーコード、「C E G」ならCメジャーコードとなります。

では、それ以上離れたらどうなるでしょうか?

サスペンドコード(Suspended Chord)

サスペンドコード、つまり、「Sus○コード」ができます!

たとえばルート音から半音2個分離れると、「Sus2コード」になります。


画像:動画より

A# Sus2なら、「A# C F」という構成になります。

5:35~5:37

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一方、ルート音から半音2個分離れると「Sus4コード」になります。

A# Sus4なら、「A# Eb F」という構成になります。

5:45~5:47

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STEP4:add9コードにしてみよう

それでは最後、コード進行のうち一番最初のコード「G#」を「G# add9」にしてみます。

add9とは、単純に9thの音を入れたコードのことです。

G#コードの場合、今回はFマイナーキーの楽曲ですので、A#が9thの音になります。

このような響きになります。

6:09~6:11

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サスペンドコードや7th・9thコードでより豊かな響きにできる

このように、サスペンドコードや7th、9thコードを入れると、楽曲がより複雑に、そして面白く聞こえるようになります!

しかし単純に「すでに使われている音を足す」という方法でも、響きはかなり変えられます。

たとえばCメジャーコードで「C E G」という音を使っている場合、オクターブ上のCの音を足したり、オクターブ下のGの音を足してみたりしてもいいでしょう。

下の画像だと、緑の音が新しく足した音です。


画像:動画より

それでは、LEVEL2のコード進行を一通り見てましょう。

6:27~6:43

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LEVEL3:プロっぽいコード進行にしてみよう

さて、最後の段階に来ました!

ここからは、よりユニークで「ありきたりでないコード進行」にするためのテクニックをご紹介します。

まず、これまでに作ってきたコード進行のルート音を確認しましょう。

G# - F - C - A#

これを少し変えて…

G# A# - F G - C D# - A#

このようにしてみます。

特に3小節目の「C」の音がいい感じに響きます。


画像:動画より

ここに、これまでのステップを踏まえてコード進行を乗せていきます。

7:25~7:33

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コード進行に変化を加えてみよう

1小節目のルート音がA#のところには、まだ何も音を入れていません。

ここにA#メジャーコードに6thの音(G)を加えて、「A#6」を作ってみましょう。

2小節目のルート音がGのところは、7thコードにしてGm7にします。

3小節目のルート音がD#のところは、分数コードで「Gm7/D#」にしてみましょう。

まとめるとこのようになります。

G# A#6 - Fm7 Gm7 - Cm7 Gm7/D# - A#6

それぞれ、このような響きになります。

7:33~7:40

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コード進行をプロっぽくする方法まとめ

以上でLEVEL1からLEVEL3までのレベルアップが完了しました!

この内容をかんたんにまとめると、このようになります。


画像:動画より

最後に、このコードを実際の曲に使った場合の例を聞いてみましょう!

ドラムやパーカッション、ベースを足し、それぞれのレベル別に聞いてみると、コード進行だけで大きな違いが出ることがよくわかります。

LEVEL1 8:45~9:17

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LEVEL2 9:18~~9:48

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LEVEL3 9:49~

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今回ご紹介したテクニックはどんなスタイルの楽曲にも使えますので、ぜひお試しください!

さらにかっこいいコード進行にしたい方やコード進行のバリエーションを増やしたい方には、こちらの書籍がおすすめです。


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