ミキシングのコツ

【MIX】コンプレッサーだけでスネアにパンチを加える方法 応用編

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

今回は、Hardcore Music Studioが解説する「コンプレッサーだけでスネアにパンチとアタックを加える方法」をまとめました。

この記事ではPart2として、スネアにコンプレッサーを使うときの上級者テクニックをご紹介します。
※動画ではロックドラムのスネアを例に挙げていますが、どんなスタイルのスネアにも使える内容です

Part1 基礎編はこちら

スネアにコンプレッサーをかけてパンチを加えるコツ(上級者向けテクニック)

Part1では、スネアにコンプレッサーをかけてパンチを加える基本的なコツについてご紹介しました。

Part2の今回ご紹介するのは、こちらの上級者向けテクニック2つです。

・スネアの「Bottom」と「Top」の音でコンプレッサーの使い方を変える
・パラレルコンプレッション

ボトムスネアにコンプレッサーを使うミックスのコツ

今回のレコーディングでは、スネアをBottomとTopの2つに分けています。

Bottom:ボトムスネア。スネアに対して下からマイクを向けて録ったときの音。
Top:トップスネア。スネアに対して上からマイクを向けて録ったときの音。

まずは、ボトムスネアの音を聞いてみましょう。

ボトムスネアの音 9:15~9:28

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

バイパス(OFF)にしたときは少し弱々しい感じがしますが、ONにするとより大きく聞こえるように感じます。

それでは、コンプレッサーの設定を詳しく見てみましょう。

https://youtu.be/jdBCh4iimMs?si=kZNyfQbauniYnXmk

Ratioは「10:1」で、とても強くコンプレッションされるようになっています。

Attackは「Fast」で速くコンプレッションされるように、Releaseも最速にしています。

Part1では「スローアタック&ファストリリース」をコツとしてご紹介しましたが、ボトムスネアに関しては少し違う設定にしています。

これは一体なぜなのでしょうか?

ボトムスネアは「長さ」「重さ」担当

一言に「スネア」と言っても、生ドラムの場合は「トップスネア」と「ボトムスネア」の2種類があります。

トップスネアはスネアの上からマイクを向けてレコーディングしたときの音ですので、よりスティックが当たったときの音が強く、いわゆる「アタック担当」です。

それに対し、ボトムスネアはスネアの下からマイクを向けてレコーディングしたときの音ですので、スネア特有の「ザーッ」とした音がよく録れているパートです。

つまり、アタックに関してはトップスネアが担当し、音の長さに関してはボトムスネアに担当してもらった方が、バランスよくなります。

そのため、ボトムスネアにはあまりアタック感は必要ありませんので、Attackを速くしても問題ありません。

むしろ、Attackもリリースも速くした方が、ボトムスネアに必要な「長さ」や「重さ」を足すことができます。

10:26~10:38

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

聞き比べてみると、確かにAttackを速くしたときの方が、音が少し長く感じられます。

トップスネアもボトムスネアもAttackを遅くしてしまうと、スネアの音が短すぎるように聞こえてしまうことがあります。

バランスを取るためにも、ボトムスネアのAttackは速めにした方がよいでしょう。

パラレルコンプレッションのコツ

次に解説するのは、パラレルコンプレッションのコツです。

まずは、パラレルコンプレッションを使った音を聞いてみましょう。

11:44~11:55

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

今回パラレルコンプレッション用に使ったのは、Waves社「SSL G-Master Buss Compressor」 です。

https://youtu.be/jdBCh4iimMs?si=kZNyfQbauniYnXmk

コンプレッサーの設定

Attack:遅め(30ms)

Release:最速

Ratio:強め(10:1)

Threshold:小さめ

Attackを遅めにしながら、Ratioを強めにしています。

また、Thresholdをかなり小さくしていますので、かなり強くコンプレッションがかかるようになっています。

パンチを加えるのにはうってつけの設定です。

バイパス(OFF)時と比較して聞いてみると、どれだけパンチが効いているのかがおわかりいただけます。

12:22~12:28

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

Thresholdを変えると、コンプレッサーのかかり具合が変わりますので、そちらもチェックしてみましょう。

12:43~12:55

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

Thresholdが低すぎると、キックなどの他のドラム類も邪魔してしまうぐらいパンチが出過ぎてしまいますので、ここでもちょうどいいラインを探してみましょう。

元の音と混ぜる割合を調整しよう(パラレルコンプレッション)

パラレルコンプレッションの設定を調整したら、最後は元の音と混ぜる割合を調整します。

14:03~14:19

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

パラレルコンプレッションの割合によって、スネアのキャラクターが大きく変わることがわかります。

ちょうどいい具合に混ぜると、スネアが他のドラム類の中でも埋もれず、しっかり前に出てきてくれています。

今回の解説で登場したおすすめDTMプラグイン

最後に、今回の解説でも使われたおすすめのDTMプラグインをご紹介します。

ミックスでは非常に役立つプラグインばかりですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

Waves社「SSL E-Channel」

Waves社「SSL G-Master Buss Compressor」 

お得なバンドル「SSL 4000 Collection」


「SSL E-Channel」と「SSL G-Master Buss Compressor」 が同梱されたお得なバンドル「SSL 4000 Collection」もありますので、両方ともGETしたい方におすすめです。


以上で「コンプレッサーだけでスネアにパンチを加える方法」の解説は終了です。

当サイトでは他にもコンプレッサーの使い方や音にパンチを加える方法についてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください🔻


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