ミキシングのコツ

【MIX】コンプレッサーだけでスネアにパンチを加える方法 基礎編

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

今回は、Hardcore Music Studioが解説する「コンプレッサーだけでスネアにパンチとアタックを加える方法」をまとめました。

この記事ではPart1として、コンプレッサーを使うときの基礎をご紹介していきます。

https://www.mizonote-m.com/adding-punch-attack-to-your-snare-with-compression-2

DTMをしていると、「パンッ」というパンチの効いたスネアの音が欲しくなることも多いでしょう。

この記事では、コンプレッサーを使うだけでスネアにパンチを効かせる方法をご紹介していきます。
※動画ではロックドラムのスネアを例に挙げていますが、どんなスタイルのスネアにも使える内容です

はじめに:ミックスする曲とスネアの音をチェックしよう

まずは、今回ミックスする曲全体と、ドラムだけソロにした状態を聞いてみましょう。

スネアの音に注目してみてください 0:16~0:29

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

とてもパンチがあり、曲全体で聞いてもしっかり前に出ているように聞こえます。

それでは、どのようにしてこのようなパンチのあるスネアの音を作れるのか、解説していきます。

スネアにパンチを加えるコツ1:コンプレッサー

まずは、スネアに使っているコンプレッサーについて解説します。

今回使っているのは、Waves社の「SSL E-Channel」です。

https://youtu.be/jdBCh4iimMs?si=kZNyfQbauniYnXmk

コンプレッサーの設定

Ratio:「3:1」

Attack:Slow(スイッチで切り替えている)

Release:最速

スネアだけでなく、キックやタムも「Slow Attack & Fast Release」という設定がおすすめです。

ドラムミックスのコツは「スローアタック・ファストリリース」

ドラムのような打楽器類は、「スローアタック・ファストリリース」の設定にするとパンチが出やすくなります。

アタックを少し遅くしてリリースを速くすれば、打楽器特有のアタックを潰すことなくコンプレッサーをかけられるので、パンチを加えながら迫力もプラスすることができます。

それでは、コンプレッサーのON/OFFを切り替えて違いを聞いてみましょう。

1:55~2:09

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

コンプレッサーをONにしたときの方が、「パンッ」というアタック感がしっかり出ていることがわかります。

音量を上げなくても、コンプレッサーの設定だけでこれだけのパンチを出すことができます。

違うコンプレッサーでも試してみよう

ここで、別のコンプレッサーを使って同じことをしてみたいと思います。

次に使うのは、Slate Digital社「FG-Stress」です。


https://youtu.be/jdBCh4iimMs?si=kZNyfQbauniYnXmk

まずは、Ratioを「3:1」、Attackは最速で、Releaseは遅め(5.0ms)にして聞いてみましょう。

Input(Threshold)をだんだん上げていくので、だんだん強くコンプレッションがかかっていくようになります。

4:13~4:30

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

コンプレッサーのAttackを設定するコツ

Attackを速くすると、パンチが加えられるというよりも、「パーン」と響く音(後ろの方の音)が強調されたように聞こえます。

それでは、Attackをだんだん遅くして、最もパンチが加えられる場所を探ってみましょう。

4:54~5:19

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

3.0msから6.0msぐらいの間になると程よくパンチが強くなってきて、7.0msを超えるとAttackが遅すぎて、あまりいい音になっていないように感じます。

今回は、Attackが「4.3ms」がスウィートスポット(ベストな位置)になりました。

コンプレッサーのReleaseを設定するコツ

次は、Releaseを調整してみましょう。

5:54~6:00

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

Releaseが速すぎると、コンプレッサーがかかったような感じがあまりしません。

逆にReleaseが遅すぎると、コンプレッサーがかかる時間が長すぎて、音がピタッと止まるような音になってしまいます。

そのため、ReleaseもAttackと同様に、スウィートスポット(ベストな位置)を探してみましょう。

6:23~6:32

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

Input(Threshold)をもう一度確認しよう

AttackとReleaseの設定を見直した後は、Input(Threshold)をもう一度見直してみましょう。

6:58~7:12

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

Input(Threshold)を強めると、強くコンプレッションをかけることができますが、場合によっては人工的な音に聞こえてしまいます。

特に生ドラムの場合は「加工した感」が強く出てしまうことがあるため、自然な楽器の音を維持したい場合は、あまり強くコンプレッサーをかけない方がよいでしょう。

それでは最後に、Before/Afterを聞いてみましょう。

7:53~8:26

Adding Punch & Attack to Your Snare with Compression

最初に使った「SSL E-Channel」と「FG-Stress」では、また少し違ったサウンドになったことがおわかりいただけると思います。

同じような設定にしていても、コンプレッサーによってもテイストが異なりますので、ぜひいろいろなコンプレッサーを試してお気に入りのサウンドを見つけてみてください。

今回の解説で使ったおすすめDTMプラグイン

最後に、今回の解説で使用したDTMプラグインをまとめてご紹介します。

ミックスでは非常に役立つプラグインばかりですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

Waves社「SSL E-Channel」

Slate Digital社「FG-Stress」


以上で基礎編の解説は終了です。

次回「応用編」はこちら🔻

https://www.mizonote-m.com/adding-punch-attack-to-your-snare-with-compression-2

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