作曲全般

【DTM】アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」Part1

今回は、EDM Tipsが解説する「あなたの曲がアマチュアに聞こえる8つの理由」をまとめました。

今回はPart1として、「1つ目〜3つ目の間違い」をご紹介していきます。

アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」

プロのサウンドに近づけるためにできること、プロっぽい作曲やミックスをするためのコツを惜しみなく紹介していきます。

例えばこちらの「Before」のサウンドが、今回ご紹介するポイントを使うだけで「After」のサウンドにすることができます↓

0:07~0:23

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

作曲・MIXの間違い1.雰囲気やテーマが決まっていない

アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」

これは言い換えると、「曲中では1つの雰囲気・テーマに沿って曲を作ろう」ということになります。

1つの曲の中でたくさんの種類のサンプルやプリセットを使うと、「この曲はどんな曲なのか?」がはっきりしなくなってしまいます。

「この音は、この曲にとって適切な音なのだろうか?」
「この音は、この曲のテーマや雰囲気に沿っている音だろうか?」

これらを常に自分に問いかけ、YESと言えないのであれば考え直すとよいでしょう。

曲の方向性に沿って作曲・ミックスをするのが大切だということは、作曲やミックスを始める前に雰囲気やテーマをあらかじめ決めておくことが必要ということになります。

どんな曲を作りたいのか、何かゴールになるのかをしっかり決めてから曲作りをしていきましょう。

それではここで、冒頭にご紹介した「Before/After」の曲を例にとって解説します。

例えば「ピアノハウス(Piano House)を作りたい」と思って作った曲だったとして、明確なゴールがない状態で持っているプラグインを探すと、曲に合う音がなかなか見つからないことがあるでしょう。

例えばこのようなボーカルとドラムのフレーズがあったとしましょう。

1:39~1:56

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

このボーカルとドラムに合うベースラインとシンセの音を探してみると...

1:57~2:17

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

カッコいい音で、トランスなどのジャンルには合いそうな音ですが、ピアノハウスの曲には合わないような音です。

つまり、どんなにいい音だったとしても、テーマ・雰囲気に合わない音ではいけないということになります。

そこで、ベースラインをトランスではなくピアノハウスに合うようなサウンド・パターンに変更し、そこからピアノを入れていきます。

2:29~2:46

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

「自分は今こんな曲を作りたいんだ」という明確なテーマ・雰囲気を思い出し、それに沿った音作りをすれば、このように自分の理想通りの曲を作ることができます。

どの曲を作るときも、このマインドを忘れないようにしましょう。

作曲・MIXの間違い2.クオリティの低い音を使う

アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」

これは言い換えると「クオリティの高い音を使おう」ということになります。

サンプル、プリセット(音源)、オーディオファイル…

どれに対しても言えることですが、はじめから高クオリティのサウンドを使うようにすれば、すでに音のクオリティが高いので、より早く曲を仕上げることができるようになります。

ジャンルによってはそのジャンルに合ったサンプルパックやプリセットパックとして販売されていたり、SpliceやF9 Audio、Loopcloud、Black Octopus、ADSRなどのサイトでサンプルが検索しやすくなっています。

Googleで「the best sample pack for ジャンル名」などで検索してみてもよいでしょう。

音選びは料理の食材探しと同じ

音楽も、料理の食材探しと同じです。

料理をするとき、できるだけ鮮度が高くおいしい食材を選ぼうとするでしょう。

もちろん調理スキルも大切ですが、いい食材を使えば、それだけおいしい料理が作りやすくなるからです。

レコーディングも高クオリティに

ボーカルなどをレコーディングするときは、レコーディングの時点で既にクオリティが高くなるように、機材やレコーディング環境を整えましょう。

今ではMelodyneやAUTO-TUNEを使ってピッチやタイミングを修正できますが、はじめからクオリティの高い演奏をすれば、修正やミックスの手間も省けます。

作曲・MIXの間違い3.耳を鍛えない

アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」

これは言い換えると「日頃からしっかり耳を鍛えよう」ということになります。

耳を鍛える一番いい方法は、たくさん音楽を聞くことです。

しかし、これはただ作業中にBGMとして音楽を流せばいいというわけではなく、「しっかり聞いている音楽に集中し、分析する」という意味です。

他にも、Sound GymPro Audio Earsなどのサイトを使えば、1日数分で誰でも手軽に耳のトレーニングをすることができます。

「ミクロ」と「マクロ」で耳を鍛える

耳のトレーニングにおいては、「ミクロの視点」と「マクロの視点」で鍛え方を変えることが重要です。

「マクロの視点」でトレーニングするとき

・楽曲の構成を把握する
Aメロは何小節あるか、ドロップ(サビ)やブレイクの部分では何が起こっているか、など

「ミクロの視点」でトレーニングするとき

・4小節ごとに区切って分析する
その時に鳴っている音ひとつひとつにフォーカスする

ミクロの視点で分析する例 - David Guetta「Titanium」

それでは、ミクロの視点で分析する例をご紹介します。

こちらはDavid Guettaのヒット曲「Titanium」の冒頭部分です。
※動画の著作権違反を避けるため、原曲とピッチを変更しています

https://www.youtube.com/watch?v=_g-MmazYc9o

はじめの4小節はギターのリフがあります。一度聞いてみましょう。

5:21~5:29

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

何分音符で演奏されているか、コード進行はどうなっているかなどはすぐわかりますが、ミクロの視点の分析ではもう少し掘り下げて音を聞きます。

例えば、このギターのリフはとても広がりがあるように聞こえます。

モノで聞いたときと比較すると、どれだけ広がりがあるサウンドなのかがわかりやすいです。

5:50~5:57

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

Ozone Imagerなどを使うと、どれだけ音に広がりがあるかを視覚的に分析することもできます。

https://www.youtube.com/watch?v=_g-MmazYc9o

なぜこのように広がりがあるかを考えてみると、「このギターは2テイクあり、Panがそれぞれ左右に振られているから」ということがわかります。

そして、それぞれの小節の最後にリバーブもかかっていることも要因の一つでしょう。

そして、最後の4小節目だけ小節全体を通して強くリバーブがかかっており、オートメーションでリバーブを調整していることもわかります。

それではこれらに注目しながら、もう一度聞いてみましょう。

6:16~6:24

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

これだけ細かいことは、一般のリスナーはなかなか気づかないでしょう。

そのため、この分析ではとても集中して聞き込んでいく必要があります。

スロー再生をして音の発音・ニュアンスを細かく分析するのもおすすめですので、ぜひお試しください。


つづき「Part2」はこちら↓


人気記事

1

作曲をしているけど、プロっぽいサウンドにならない…DTMでやってはいけないことってある?今回はこのような疑問にお答えする内容です!カナダの有名プロデューサーが教える「初心者がやりがちな間違ったリバーブの使い方」を3つご紹介!これを覚えておけば、「いいアレンジ」「プロっぽい曲」にグッと近づきます。

2

普段よく聞いているポップスの曲を、かっこよくリハーモナイズしてみたいけど、どうやったらできる? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 ベーシストであり、数々の音楽理論の解説動画をアップしているA ...

3

今回はAudio Universityが解説する「Universal Audio社 Apollo Twinのレビュー」をまとめました。他社では2万円程度の製品がある中で、Apollo Twinは約10万~20万円です。この記事では、Apollo Twinは値段相応の価値があるのかについて解説します。

4

プロ仕様のオーディオインターフェースと、安いオーディオインターフェースってどう違うの?共通点はある? 今回はこのような疑問にお答えする内容です。 https://www.youtube.com/wat ...

5

この記事では、世界中の作曲家・音楽プロデューサーが使っているおすすめのブラス(金管楽器)音源をご紹介します。同じ楽器でも音源によって音色が少し異なりますので、複数持っていると使い分けることができるほか、レイヤーしたときもリアルさと壮大さを増すことができます。

6

DTMをしていると「ビット深度」「サンプルレート」って言葉を聞くけど、これって何?という方のための記事です。これらの意味を知ると、自分にベストな機材を選べるようになったり、正しいフォーマットで作曲できるようになります!

7

今回は、初心者からプロまで使えるおすすめのDTMイヤホン・ヘッドホン14選をまとめました。値段順にご紹介しますので、ぜひ予算に合わせてご自身に合う製品を見つけてください。

8

プロの視点で「歌ってみた」やバンドのボーカルレコーディング用のおすすめマイクを10個ご紹介!5000円〜6万円代まで幅広くご紹介していますので、ご予算やシチュエーションに合ったマイクに出会えます。「なぜおすすめなのか?」「どんなところがいいのか?」も解説しています!

9

海外プロが教える「コード進行をプロっぽくするコツ」をご紹介!LEVEL1の「アマチュアのコード進行」から、LEVEL3の「プロのコード進行」にレベルアップするためのテクニックを解説しています。味気ない・つまらないコード進行から卒業したい方向けの内容です。

10

今回はAdam Audio社とIn The Mixが解説する「スピーカーは縦置き or 横置きのどちらがいいのか?」をまとめました。 多くのスピーカーは正方形ではなく長方形であることが多いですが、縦置 ...

-作曲全般