EQだけを使ってミックスでボーカルをなじませる方法【DTM・歌ってみた】
- 2024.10.14
- 2024.11.27
- ミキシングのコツ
今回は、音楽プロデューサーのStreakyが解説する「プロのボーカルミックス術を公開します」をまとめました。
・ボーカルだけ浮いて聞こえる…
・調整しようとしたら、今度はボーカルだけ埋もれて聞こえる…
このようなお悩みは、ボーカルミックスを経験したことのある方なら誰もがお持ちでしょう。
今回は、DTMerなら誰でも持っている人気EQプラグイン・Fabfilter社「Pro-Q3」を使ってこれらの問題を解決するミックス術をご紹介します。
※今回は2mixのインスト音源とボーカルトラックを使って解説しますので、「歌ってみた」に近いミックス方法になります。そのため、MIX師の方も必見です!
Pro-Q3はこちらから購入できます↓
スポンサードサーチ
ミックスでボーカルをなじませる方法1.ボーカルトラックの周波数を分析する
まずは、ボーカルトラックの周波数を分析します。
Fabfilter社「Pro-Q3」にはトリガー先のトラックの周波数帯域を分析&表示してくれる機能があるため、これを利用します。
2.EQにサイドチェインの設定をし、トリガーをボーカルにする
(ボーカルが鳴ったらEQがかかる、という設定になります)
3.画面下の「Analyzer」から「EQ Match」を選択する
4.「Reference」を、サイドチェイン先(ボーカルトラック)に設定する
5.ボーカルトラックを再生し、分析を開始する
2:48~3:30
ミックスでボーカルをなじませる方法2.インスト音源にダイナミックEQをかける
ボーカルトラックの周波数を見て、どの周波数帯域の音量が大きくなっているかをチェックします。
例えば上記の画像では、ボーカルトラックの周波数帯域がグラフで表示されています。
このうち、下に出っ張っている部分はボーカルがあまり含まれていない周波数帯域ですので、ここは無視しても大丈夫です。
問題は、上に出っ張っている部分です。
これらはボーカルがよく出ている周波数帯域になりますので、インスト音源でもこの音域がたくさん出ていると、ボーカルを邪魔してしまうことになります。
そのため、この部分のバンドをまとめて選択し、逆に音量を減らします。
Pro-Q3では「ダイナミックEQ」を使うことができます。
各EQバンドには音量を調整できる「Gain」のツマミがありますが、その外側の円を回すと、ダイナミックEQのレンジを調整することができます。
今回は通常のEQのように「常にその音域を決められた量だけ減らす」という処理ではなく、「ボーカルが鳴っている音量に合わせて減らす」という処理をしたいので、ダイナミックEQを使用します。
ダイナミックEQの適用量は、ダイナミックEQのツマミの上にある「Auto」ボタンをクリックした後、Threshold(スレッショルド)のフェーダーを調整することで変更できます。
3:35~4:27
ここで、この処理がしっかりできているかを確認します。
ボーカルに200Hz以下の低音域は含まれていないことが多いので、ややこしい場合は先にローカット用のEQを付け足していても構いません。
また、よりピンポイントで処理をしたい場合はQ幅も変更しながら行うとよいでしょう。
4:45~6:07
このようにダイナミックEQをかけた状態で聞いてみると、インスト音源でくり抜かれた部分にボーカルがすっぽり入っているようなサウンドになりました。
確かにこれだとインスト音源もボーカルもしっかり聞こえるのですが、インスト音源に対してダイナミックEQをかけすぎると、いかにも「EQをかけて調節しているな」ということがバレてしまうレベルになります。
もしこのレベルでEQをかけてしまっている場合は、ダイナミックEQで減らす量を少し控えめにしてみましょう。
このようにして見ると、もはやEQをかけているのか、EQの意味があるのかどうか疑ってしまうレベルかもしれません。
しかし、たった1dBの変化でも複数の周波数帯域(バンド)に対して使われていますし、たった1dBでも大きな変化を生み出すことがあります。
ときには、これぐらいの設定がちょうどいい時もあります。
EQの縦軸の表示設定にも注意
また、この時点ではEQの表示設定が「最大30dB」にしてあるため、1dB程度の変化だと全くEQがかかっていないように見えてしまいます。
ここで、最大3dBに設定すると上記画像のようになります。
こうするとEQのグラフが拡大されたように見えるので、しっかりEQがかかっているような印象を受けます。
このように、 縦軸の最大音量を示す表示設定によって印象が変わりますので、こちらにも注意してみてください。
スポンサードサーチ
ミックスでボーカルをなじませる方法3.Threshold、Q幅、周波数帯域などを微調整する
最後に、Threshold、Q幅、周波数帯域などを微調整します。
EQのON/OFFを交互に行いながら確認すると、EQによる変化がよりわかりやすくなります。
7:26~8:05
ミックスでボーカルをなじませる方法まとめ
以上が「ミックスでボーカルをなじませる方法」でした。
・「Analyze」でボーカルの周波数帯域を分析しよう
・ボーカルによく含まれている周波数帯域だけを抑えよう
今回のPro-Q3はこちらから購入できます↓
当サイトでは他にもEQを使ったミックステクニックをまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓
-
前の記事
映画「マトリックス」でも使われている「ポリコード」とは?【映画音楽の作り方】 2024.10.14
-
次の記事
DTMer・作曲家のためのファイル整理術【容量UP・バックアップ対策】 2024.10.18