どうしたら音楽スタジオでの仕事をGETできる? Part1

どうしたら音楽スタジオでの仕事をGETできる? Part1

 

「どうしたら音楽スタジオでの仕事をGETできる?」という質問に対し、実際に活躍するオーディオエンジニアが答えてくれました。

今回はPart1として、海外で活躍するJさんの体験談をご紹介します。

 

「プロはみんなどうやって音楽キャリアをスタートさせているの?」
「どうすれば音楽の仕事に就けるんだろう?」

 

こういった疑問にお答えするお話になっています。

元記事

 

教会でのある男性との出会い

 

僕はバークリー音大のプロダクション・エンジニアリング学科を卒業しました。

母はユダヤ教会で働いていて、洗礼の儀式のための施設を設立していました。

ある日母は他の部屋である男性がギターを練習している音が聞こえて、その男性に話しかけてみたそうです。

僕について話したようで、まるで母がやったかのように、僕のギタープレイについて自慢げに話したとか(笑)。

そして驚くことに、実はこの男性は世界でも5本の指に入るレコーディングスタジオの設計士。
家族ぐるみの友人に頼まれて、そこで演奏していたんだそうです。

母は彼の電話番号をゲットして僕に教えてくれました。

そのおかげで、僕は将来やりたいことについて、彼と長電話をしました。

 

彼は「NYにあるどの音楽スタジオのオーナーについても知ってるよ。どのスタジオの面接を受けてみたい?」と聞いてくれました。

その時、僕の好きなミキシングエンジニアが働いていて、そこで数々の有名なレコーディングをしたことがあるというスタジオが1つあったので、そこがいいなと思っていました。

 

想像と違った「憧れのスタジオ」

そして、彼はその面接の機会を与えてくれたんです。

結果うまくいって、そこでの仕事を得ることができました。

 

僕の最初の仕事は…僕の好きなミキシングエンジニアがいるところで”酷評”を言って、コンソールを買ってくれる人を見つけて、SFXの編集のために改築することでした。心が折れましたね。

そのスタジオは映画やTVのオーディオポストプロダクションのために、もっぱらいろいろな変更をしていたんです。

スタジオではミキシングは全然やっていませんでした。

 

加えて、僕の好きなミキシングエンジニアが退職。

僕は完全に行き詰まって、スタジオで音楽も何もできませんでした。

壁を塗って、コーヒーを入れて、ゴミを捨てて、グラスウールのパネルを作って…

もう、僕のスキルは業務レベルのものじゃなかったですね。

僕はずっと音楽の教育と経験だけしかしていなかったので。

 

正直言って、もう映画やTV業界で必要なスキルを磨くなんて理想はありませんでした。

キャリアの路線変更に全く興味がなかったし、最低賃金のためだけにやっていましたからね(当時NYに住むのには適していない賃金でした)。

 

そして一年後、僕は退職しました。

 

「履歴書の一番最初に書く仕事」

 

でも1度だけ音楽のプロジェクトに参加できたんです。

僕がスタジオで唯一の「音楽人」だったから、僕のヒーローとも呼べる人と、人生に一度きりになるであろう仕事ができました。

2ヶ月にも及ぶ仕事でしたね。

 

これは僕の履歴書の一番最初に書くべき出来事で、僕の人生の扉を開けてくれた経験でもありました。

教訓は…最も早く簡単にスタジオでの仕事を得る方法は、「紹介」と「運」です。

でも、この仕事に行き着く要因がその2つであるとは限らないかもしれません。

他にもこの業界で稼げる方法はありますからね。

面白い一面として、僕が退職した後、「大きなプロジェクトで修正の担当をしてほしい」と誘いが来たんです。

僕はフリーランスとして、スタジオでやっていたときよりも時給10倍ぐらいの報酬を請求しましたよ(笑)。

 

まとめ

 

このJさんは、若い頃に偶然出会った巨匠との出会いをきっかけに、音楽のキャリアをスタートさせました。

日本でも、音楽スタジオやクラブハウスなどで良い出会いがあるかもしれません。

もちろん、「きっかけをどう生かすか」も重要です。どんどんチャンスを掴んでいきましょう!

 

ちなみに今回は人脈や出会い・運に関する話が出てきましたが、これに関してはこちらの本がおすすめです。





Reference

Part2はコチラ

どうしたら音楽スタジオでの仕事をGETできる? Part2